雪山日和の八ヶ岳スノーハイク  北横岳から三ツ岳を巡る静寂と絶景のルート

2025年3月9日(日)、スノーハイク第二弾として選んだのは、八ヶ岳連峰の中でも比較的アクセスが良く、雪山初心者にも人気の「北横岳」。とはいえ、今回のルートは北横岳ピストンではありません。ロープウェイで一気に標高2237mの山頂駅へ。そこから北横岳の南峰・北峰を経て、岩稜の三ツ岳、そして雨池山を巡り、縞枯山荘へと戻る周回コース。冬ならではの絶景と静寂に包まれたこのルートは、まさに心と体を満たす山行となりました。

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ロープウェイで一気に雪山の世界へ

早朝の北八ヶ岳ロープウェイは澄み渡った青空に恵まれ、車窓からはすでに白銀の世界が広がっていました。山頂駅に降り立つと、目の前には樹氷をまとった縞枯れの森と、真っ白な山肌がどこまでも続く幻想的な風景が。風はなく、気温も穏やかで、この日はまさに「雪山日和」と呼ぶにふさわしい天候でした。

アイゼンを装着し、まずは北横岳を目指して登山開始。樹林帯の中はふかふかとした新雪が踏みしめられ、柔らかくも安定した足場。登山者の数もほどほどで、トレースもしっかりしており歩きやすい印象でした。

北横岳の南峰・北峰へ

雪に覆われた静かな樹林帯の登山道を進んで行きます。しばらくすると視界が一気に開け、南峰の山頂が近づいてきます。山頂では、蓼科山が堂々とした姿を見せ、遠くには中央アルプスや南アルプスの峰々まで見渡せる大パノラマ。

やがて北横岳の南峰に到着。ここから少しだけ歩いた北峰の山頂では、さらに視界が開け、蓼科山がすぐ近くに見えました。浅間山や北アルプスは雲に隠れ望むことができませんでしたが、まさに360度の大絶景。風もなく穏やかな時間の中で、しばし立ち尽くすようにその景色を堪能しました。

岩稜の三ツ岳と、静けさに包まれた稜線歩き

北横岳を後にし、ここからがこのルートの核心ともいえる三ツ岳への縦走。登山客の多くが北横岳で折り返す中、こちらに向かう人はぐっと少なくなります。結果、そこにはまるで自分だけの山を歩いているかのような、静けさと贅沢な時間が待っていました。

三ツ岳のルートは小ピークを三つ越えていく岩稜帯。場所によってはアイゼンの爪が岩に引っかかるような箇所もあり、慎重な歩行が求められます。雪の状態は安定していましたが、アイゼンの刃先でしっかりと雪面を捉える感覚を大切に歩を進めていきました。

視界が開けた場所では、雪化粧を施した八ヶ岳連峰の稜線が連なり、息を呑むような光景が広がります。目の前に見える南八ヶ岳の山々はどれも力強く、険しさと美しさを併せ持っていて、冬山ならではの厳かさが感じられました。

雨池山への登り返しで体力を消耗

三ツ岳を越えると、ややきつめの登り返しが待っています。この区間、思った以上に体力を使うルートでした。無風快晴という天候のため汗が出てきます。レイヤリングの調整が重要で、汗冷えを避けるためにこまめに体温を調整しました。

雨池山付近は樹林帯、少し下ると視界が広がり、縞枯山などの雄大な風景が迎えてくれます。誰もいない樹林帯を歩く時間は、雪山を歩く醍醐味そのもの。静けさの中に自分の足音だけが響く時間は、何物にも代えがたいものです。

縞枯山荘を経て下山、雪山の魅力を満喫

雨池山から少し下ると、縞枯山荘が見えてきました。ここで少し休憩し、水分と行動食でエネルギー補給。最後はしっかりとアイゼンを効かせながら、のんびりと山頂駅へと戻ってきました。ロープウェイ駅には多くの観光客やスノーシューを楽しむ人々の姿があり、雪山ならではの活気とにぎわいを感じました。

終わりに:最高の条件で楽しめた雪山周回コース

今回の北横岳〜三ツ岳〜雨池山の周回ルートは、天候にも恵まれ、雪の状態も良く、何よりも静けさと絶景が詰まった素晴らしい体験となりました。アイゼンだけでの歩行という点では慎重な判断が求められる場面もありましたが、しっかりと準備し、雪山の装備と技術を確認できた良い機会となりました。

何より、三ツ岳周辺の“人の少ない”雪山時間は、この冬の一番の思い出になりそうです。

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