2024年5月4日(土)、岐阜県と長野県の境に位置する富士見台高原へ登山に行ってきました。この日は天気も良く、まさに登山日和。自然の美しさと雄大な景色を求めて、「からまつコース」を登り、「ブナコース」を下るコースを選びました。
富士見台高原
標高1,739m、長野県と岐阜県の県境に位置する笹におおわれた美しい山です。もとは山伏台と呼ばれ、明治時代より富士教信者が富士山参拝所をここに設けたことから「富士見台」の名が付いたそうです。
しかし、富士見台といっても富士山が見えるわけではありません。
360°の大パノラマが広がる山頂からは恵那山、北アルプス、南アルプス、中央アルプス、が一望できます。
神坂神社から「からまつコース」へ
朝早く、富士見台高原の登山口となる神坂神社の駐車場に到着しました。
車を降りた瞬間、まだ朝の冷たい空気が肌に心地よく感じられました。
登山の無事を祈りながら、境内を少し散策し、気持ちを整えてから登山道へと足を進めました。
富士見台 / よっさんさんの富士見台(岐阜県)の活動データ | YAMAP / ヤマップ
「からまつコース」は、登山の序盤から急な斜面が続くことで知られています。木々の間を縫うように進むこの道は、まさに森林浴を楽しむにはもってこいの場所ですが、急な登りが体力を試すルートでもあります。
最初の急な登りに少し息を切らしながらも、目指す頂上を思い描きながら一歩一歩進んでいきます。
山の空気を深く吸い込み、木々の香りや土の匂いを感じながら登ることで、心も体もリフレッシュされていくのがわかります。
「ブナコース」との合流
「からまつコース」の急な斜面を登り切ると、やがて道は「ブナコース」と合流し、徐々に緩やかな登りへと変わります。この合流地点からは、木々の間に広がる青空が見え、これからの登山の楽しさを予感させてくれます。歩きやすくなった道を進みながら、周囲の景色を楽しむ余裕も出てきました。
合流地点から先は、穏やかな登りが続きます。道中、足元には小さな花々が咲き乱れ、山の息吹を感じさせてくれます。
途中で出会う他の登山者と挨拶を交わしながら、同じ道を共有することの楽しさも感じられました。共に自然の中を歩む仲間のような感覚があり、自然と笑顔がこぼれます。
萬岳荘で一息
しばらく歩くと、「萬岳荘」という山小屋が見えてきました。「萬岳荘」は、このエリアで登山者が休息を取るための大切な拠点で、売店やトイレも整備されています。穏やかな登りが続く中、「萬岳荘」で一息つくことにしました。
ここでは、売店で飲み物や軽食を購入することができ、登山者同士の交流も楽しめます。私もここで少し休憩を取り、持参した行動食でエネルギーを補給しました。「萬岳荘」の周囲には、登山者たちがリラックスして過ごしており、山小屋特有の落ち着いた雰囲気が漂っていました。
「萬岳荘」から頂上へ向かう道は、舗装された路面が少し続きます。体力が回復したところで、再び足を進め、頂上を目指します。
少し登ると再び砂利の登山道に入っていきます。
景色が開け近くの山々やこれから歩いていく稜線が綺麗に見え頂上が近づいてきたことを実感し、気持ちが高まっていきました。
頂上での絶景
ついに富士見台高原の頂上に到着しました。頂上に立った瞬間、広がる景色に圧倒されました。周囲を見渡すと、今まで歩いてきた稜線がはっきりと見え、その向こうには北アルプス、中央アルプス、そして南アルプスの雄大な山々が連なっています。
この日、空は青く澄みわたり、視界は良好。春霞で多少のぼやけはありましたが、それでも目の前に広がる山々の雄大さには心を奪われました。雪をいただくアルプスの山々が、青空を背景にその存在感を誇示している様子は、まさに絶景でした。
頂上からの眺めを堪能しながら、しばしその場に座り、静かに風景を楽しみました。風が頬をなでる感覚が心地よく、頂上に立つという達成感とともに、心が穏やかに満たされていきます。持参したカメラで何枚も写真を撮りましたが、この広大な景色を写真に収めるのは難しく、やはり目で見て感じることが一番だと改めて実感しました。
「ブナコース」での下山
頂上での景色を心に焼き付け、今度は「ブナコース」を通って下山することにしました。「ブナコース」は、「からまつコース」と比べて緩やかな下り道が続きますが、その分、距離が長いのが特徴です。
下山を開始すると、木々が生い茂る静かな森の中に入りました。新緑の林は、まるで緑のトンネルのようで、柔らかな木漏れ日が地面を照らし、足元には植物が美しく茂っています。木々の葉が風に揺れる音が心地よく、自然の中にいることの幸せを感じながら、ゆっくりと歩みを進めました。
道中、何度も立ち止まり、木々の間から見える景色や、足元の草花に目を向けました。長い道のりでしたが、景色を楽しみながらの下山は、また登りとは違った楽しさがありました。木々に包まれると、どこか安心感があり、疲れを癒してくれるような静けさがありました。
5月の登山、暑さとの闘い
5月4日のこの日は、気温が上がり始めており、登山中はかなり汗だくになりました。特に「からまつコース」の急な登りでは、気温と運動量が相まって汗が止まらず、こまめな水分補給が欠かせませんでした。体力的にもきつかったですが、頂上からの絶景がその苦労を報いてくれたと思います。
暑さと疲労感はありましたが、それもまた登山の一部。登り切った後の達成感や、自然の中で過ごす時間の心地よさは、それらを上回るものでした。登山を通して、自然の美しさや、自分自身の限界に挑む楽しさを再確認できました。
富士見台高原の魅力と再訪の決意
今回の富士見台高原での登山は、自然の壮大さを感じると同時に、自分自身と向き合う貴重な時間となりました。特に、「からまつコース」の急な登りと「ブナコース」の長い下り道は、登山者としての体力と精神力を試されるものでしたが、その分、頂上からの絶景や自然との一体感を強く感じることができました。
この山は、季節ごとに異なる表情を見せることでも知られており、また別の季節に再訪してみたいと強く思いました。次回は、紅葉が美しい秋や、雪景色の冬に訪れてみたいです。その時々で、異なる富士見台高原の魅力を発見できることでしょう。
富士見台高原は、初心者から経験者まで楽しめる登山スポットであり、自然が豊かで、どの季節に訪れても新しい発見がある場所です。今回の登山を通じて感じた自然の力や美しさを、多くの方々に伝えられたらと思います。
阿智セブンサミット
恵那山、富士見台高原、南沢山、網掛山、大川入山、蛇峠山、高鳥屋山の7座です。